身体を守るバリア

東洋医学では、邪気を防ぐ「衛気(えき)」というものが、オーラのように身体を覆っており、病気になるのを防いだり、すでに侵入した邪気を押し出す働きをすると言われています。「衛」は「守る、防ぐ」という意味です。

邪気は最初に皮膚から侵入するのですが、邪気が深部へ侵入しないために、衛気は皮膚の毛穴を緩めたり、締めたり、また汗腺の開閉、発汗調節を行い邪気を押し出して侵入を防いでいます。

衛気は一定の規則に従って循環しており、日中は身体の表面を25周、夜は体内に入って25周巡って邪気から身体を守ってくれています。

この循環が自然界の昼夜とも関係しており、日中の生活活動時や睡眠など私たちに関わっています。

衛気が充実していると、風邪やウイルスには負けないのですが、働きすぎによる気の消耗やストレスや夜更かし、乱れた生活習慣などよって、衛気の周回リズムが崩れ衛気が不足していくと、気温差や季節の変わり目に体調を崩しやすくなったり、風邪をひきやすくなってしまいます。

気は食べ物から造られる「後天の気」によって補充されており、衛気はこの「後天の気」から造られるのですが、主に「肺」と「脾胃(ひい)」の働きによって造られます。

食べた物を脾と胃で消化吸収を行い、気を生成しそれを肺に運び、肺によって全身に気を巡らせます。
肺は気道を通じ、直接外界と繋がっているので、邪気が侵入しやすくとてもダメージを受けやすい臓器と言われています。
そのため、肺の調子が悪い時や、胃腸の調子が悪い時は気を作ることができません。
ですので、しっかり呼吸をすること、喉を潤すこと、バランスの良い食事を摂ることで「衛気」を充実させ、邪気に負けないように身体を整えましょう。

鍼灸治療も衛気を整えるための一つの手段です。
鍼やお灸を継続して行うことで免疫力が上がると言われています。
全身の血流が良くなり、血液中の免疫細胞の働きが活性されます。
また、自律神経を整え副交感神経(リラックスモード)が優位になるので、胃腸の働きや睡眠の質も良くなります。

こんな時期だからこそ、ぜひ一度鍼灸を試してみてはいかがでしょうか。

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