原気を貯蔵する『腎』

生命活動の原動力となる気(エネルギー)は、 『腎』という場所で、貯蔵されています。 『気と氣と气』でお話しした様に、『原気(元気)』は、父母から受け継いだ先天の精が変化したものです。
『精』とは、人体を構成し、生命力、生殖の根源であり、成長・発育に必要な物質であり、先天の精と後天の精があります。
先天の精は、父母から受け継いだ精で、生命の素であり、人体の器官、組織を作り、成長させていく素となるものです。
後天の精は、飲食物から造られる精であり、先天の精を補充し、生命活動を支えています。

『 精』を貯蔵している腎ですが、『腎』とは臓器の「腎臓」とほぼ同じで、泌尿器を指しますが、ここでいう『腎』は、泌尿器のほかに精の貯蔵、生殖、発育を含んだものをいいます。
父母から受け継いだ先天の精は、腎のある下腹部に貯蔵されます。そしてこの精は、飲食物から造られる後天の精によって常に補充されてますが、 長い目で見ると100%の補充はできないです。
腎は先天の精の貯蔵だけでなく、飲食物から造られた後天の精も貯蔵しています。
そして冒頭や、『気と氣と气』で少し触れた『原気』はこの精が、腎により活性化されたものなのです。『原気 』(=腎精)

腎精が充実していれば、活力が盛ん・活動的・病気にかかりにくいのですが、腎精の不足や老化によって衰えてくると、元気がなくなり、活動力が低下、生殖機能の衰え、病気にかかりやすく治りにくい、発育不良、老化に伴い骨がもろくなる、腰が曲がる、白髪・脱毛などの症状が現れます。
また、腎精は発育・脳にも関係しているので腎精の不足によって、未熟児や子どもの発育遅滞、認知症などにも関係してくるのです。

人は、腎に蓄えられた腎精を消費しながら、成長・発育し、腎精の減衰によって老化します。老化とは、腎精が少なくなることであり、形が崩れる(腰が曲がる・骨がもろくなるなど)ことでもあります。(腎精は形を保つ働きをしているため)
腎精は常に補充されていますが、消費しながら補充しているので、いくら補充しても長い目で見たとき、100%の補充ができていないため、老化につながっていくのだと思います。

腎精は、単に腎精の充実・不足が、病気にかかる・かからないだけではなく、成長・発育・生殖、生まれてから死ぬときまで生涯に関わる重要なエネルギーなのです。

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